相続税申告を行う際、避けて通れないのが土地の評価です。
弊所でも相続税申告や贈与税申告に伴い、年間多数の土地評価をやらせて頂いておりますが、一つとして同じものがない土地評価については、一見簡単そうに見えても難易度が非常に高い土地というものが存在します。
また、土地評価は机上の評価以外に現地調査と役所調査を行うことが重要です。
現地にいってみたら以外に評価減につながるヒントが隠されていたりするものです。
役所調査の重要性
土地評価を行うに際し、迷うものの一つに無道路地があります。
無道路地といえば、まず頭に浮かぶのは道路に接していない土地です。
これはその文字通りなので無道路地の算式に当てはめればよいのですが、悩むのが
接道義務を満たしていない土地です。
大体が現地に行き、目で確かめるところから始まり、その後、役所で道路調査を行います。
最近は、役所によっては道路図面がインターネットで公開されており、建築基準法上の道路か否かを確認することが出来るようになってきています。
しかし、役所に足を運んで調査をしてみると土地の事情をより細かく調べることが出来きます。
セットバックを要する土地
今回は相続税申告のため、都心の一等地の土地を評価する必要がありました。
机上調査では別段問題はなさそうだと思っておりましたが、いざ、現地にいってみると、明らかに道路が狭い・・・・・。
しかも、路線価が付されているはずの道路?が明らかに道路ではないように見えました。(側方加算はする必要がないのでは?と考えました。)
そこで、評価対象地を管轄する区役所の建築指導課へ行き、道路調査を行ってきました。
すると正面道路は2項道路(セットバックが必要)・側方道路は路線価はついているが、建築基準法上の道路ではないことが分かりました。
ごく稀に、建築基準法上の道路に該当しないにも関わらず、路線価が付されている土地に遭遇します。このようなことは路線価図だけを見ていたも分からず、現地調査を行って初めてわかることです。
今回も現地調査と役所調査の重要性を改めて感じました。
セットバック面積を算定
セットバックが必要な面積は自用地の3割評価となります。
必要面積の算定は、道路中心線を確認する必要があります。
これも役所で確認を行います。
役所が管理している道路(県道・市道など)については資料があるのですが、
私道の場合には、中心線が決まっていないケースなどもあります。
その場合には、周辺でセットバックした建築計画概要書や現地調査を再度行い道路中心線を確認し、セットバック対応面積を算出し評価を行う必要があります。
質問の仕方を考える
役所調査を行う際、役所の方は丁寧に教えてくれますが、質問したこと以外はほとんど教えてくれません。(このあたりは節税を教えてくれない税務署と一緒)
そのため、役所調査を行う前に机上での評価か現地調査を行い、事前に具体的な質問内容を検討してから出向いたほうが確実です。