相続税申告・相続対策

亡くなった方が老人ホーム等に入っていた場合の小規模宅地の特例


小規模宅地の特例は、相続税申告の際、適用の可否により大きく税額が変わります。

そのため、適用の可否を慎重に判断する必要があります。

今回は、最近比較的多く相談を頂く、被相続人が老人ホーム等に入居していた場合の小規模宅地の特例可否について確認をしていきたいと思います。相続税申告に関するご相談

小規模宅地の適用要件


被相続人が老人ホーム等に入っていた場合の小規模宅地の適用については、特定居住用宅地等の適用を検討します。

要件としては大きく2つです。

① 被相続人が要支援や要介護の認定又は障害者区分の認定を受けていること

② 入居施設が租税特別措置法令に規定される施設に該当すること

【参考】

租税特別措置法施行令第40条の2  小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例

法第69条の4第1項に規定する居住の用に供することができない事由として政令で定める事由は、次に掲げる事由とする。

  • 一 介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定又は同条第2項に規定する要支援認定を受けていた被相続人その他これに類する被相続人として財務省令で定めるものが次に掲げる住居又は施設に入居又は入所をしていたこと。
    • イ 老人福祉法第5条の2第6項に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、同法第20条の4に規定する養護老人ホーム、同法第20条の5に規定する特別養護老人ホーム、同法第20条の6に規定する軽費老人ホーム又は同法第29条第1項に規定する有料老人ホーム
    • ロ 介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設又は同条第29項に規定する介護医療院
    • ハ 高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅(イに規定する有料老人ホームを除く。)
  • 二 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第21条第1項に規定する障害支援区分の認定を受けていた被相続人が同法第5条第11項に規定する障害者支援施設(同条第10項に規定する施設入所支援が行われるものに限る。)又は同条第17項に規定する共同生活援助を行う住居に入所又は入居をしていたこと。

具体的な確認方法


要支援・要介護・障害区分の確認

被相続人が認定を受けていた場合には、認定を受けた際の証書や障害者手帳などを確認すればよいため、実務上、あまり問題にはならないかと思います。

※認定は被相続人死亡時点で判断。(ただし、申請中に死亡した場合には死亡した後に認定がされれば対象となりえます)

入居施設の確認方法

意外にネックになるのが施設の確認です。

施設によっては問題なく回答してくれるところもあるのですが、運が悪いと委任状を付けたうえで回答を請求しろなどと言われていまうケースもあります。

また、施設で確認が難しい場合には、都道府県の高齢福祉課などに問い合わせてみるのも一案です。

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