融資・資金繰り

いよいよゼロゼロ融資の返済が開始。対応方法は?


コロナ融資の返済が令和5年7月以降にピークを迎えると言われています。

業種によってはまだコロナの影響を色濃く受け、需要が回復しておらず、更に原材料高等、賃金上昇、コロナ関連の補助金も無くなっている中でコロナ融資返済が開始すると資金繰りは非常に厳しいものとなってきます。

弊所でもクライアントの一定数は令和5年7月以降にコロナ融資の返済が開始するにも関わらず、コロナの影響により業績が戻っておらず、早急に対策を検討しなければならない状況です。

誰も経験したことがないこのような状況下でどう対処すべきかを金融機関の担当者と一緒に考えました。

以下ではその際の打合内容をご紹介します。

コロナ融資返済開始について信金担当者と意見交換

相談相手:J信金:Mさん

相談内容:弊所A社のコロナ融資の対応策

新聞でも7月からコロナ融資の返済が本格的に始まり、中小企業の資金繰りが厳しくなると言われていますが、受け持ちの会社はどうですか?

Mさん
Mさん

私の受け持っている会社は少し前から資金的に厳しい会社が増えてきたようなイメージがあります。

コロナの際に、資金的ゆとりはあるけど条件が良いので借りておく位の会社は良いのですが、コロナの際に本当に資金的に厳しかったところはコロナ融資の返済が開始されると非常に厳しい状況に陥ってしまうかと思っています。

ひらい
ひらい

そうですよね。

弊所のお客様の中にもコロナ前は業績が良かったけど、コロナ期間の2~3年分の売上が半額になってしまい、まだ影響を受けている会社が一定数あります。

コロナ期間に減少した売上がコロナ後に上乗せになれば良いのですが、純粋に売上が飛んでしまったことから、コロナ前の売上に戻ってもしばらく厳しい状況が続くと考えてします。

Mさん
Mさん

確かにそのような会社が多いと思います。コロナ期間は経済が止まっていたため、その部分の需要がなかったわけですから・・・・・。

政府もコロナ融資の対応策を打ち出してはいるものの充実しているとは言えませんよね。

ひらい
ひらい

実は弊所のお客様でA社という法人があるのですが、コロナ前はしっかり利益が出ていたのですが、コロナ期間に売上が大幅に減少し、徐々に回復はしているものの、まだ売上が回復段階なのです。

お仕事の話はあるし、営業力などもある社長さんなのですが、案件自体が後ろ倒しになり、それに加えて7月末からコロナ融資の返済が開始されます。

売上が減少し、利益も減少していることから、融資の目安となる債務償還年数や売上月商倍率から見ても過剰融資の状態です。

Mさん
Mさん

なるほど、コロナ融資の返済が難しい場合には

①追加融資②リスケ③借換えが考えられますが、どのように対処するつもりですか?

ひらい
ひらい

金融機関が対応してくれるならという前提ですが

①の追加融資を受けるのも一つの手だとは思いますが、月額返済額が増加し、更に資金繰りは厳しい状態になりかねないと危惧しております。

②の条件変更(リスケ)は追加融資が難しくなったり、解消した後も一定期間厳しい対応をされた経験があるため、最終手段だと思ってします。

そのため、③の借換えをA社の社長と検討しています。

Mさん
Mさん

そうですね。

まずは月額の返済を少なくして資金繰りを安定化させることが重要だと思います。

そのような対策を国もバックアップするため令和5年1月から「コロナ借換保証」という制度が創設されています。

ひらい
ひらい

コロナ借換保証制度は据置期間も設けらているため、コロナの影響がまだ残っている会社にとっては有効な手段になりますね。

私もコロナ借換保証制度をざっくり確認しましたが、条件としても、セーフティネット4号は売上が20%減少やそれ以外は売上5%減少など、それほど厳しい条件ではないため多くの会社で適用できそうですね。

Mさん
Mさん

そうですね。

ただ、金融機関としては、コロナ融資が責任共有制度の対象外であったので、セーフティネット4号以外の責任共有制度の対象となる借換えには積極的になれない側面があるかも知れませんね・・・・。

また、経営行動計画書の作成はともかく、伴走支援が少しネックになるかと思います。

ひらい
ひらい

伴走支援?

Mさん
Mさん

はい。具体的には3ヶ月に一度程度、試算表を提出してもらい、確認作業をするといったところです。しっかり試算表を毎月作成しているような融資先であれば良いのですが、なかなか難しい先もあります。

ひらい
ひらい

なるほど、確かに毎月試算表を作成せずに、一年に一度税理士へ丸投げみたいな会社もありますからね・・・・。

ひらい
ひらい

ところで、他に利用できそうな制度はないでしょうか?

Mさん
Mさん

これだけ、コロナ融資の返済について騒がれているので、対応策が出てきてもおかしくはないのですが、越谷市ではまだ、利用できそうな制度が整っていません。

ただし、東京都では「新型コロナウイルス感染症・ウクライナ情勢・円安・エネルギー等対応緊急融資」という制度がR5.4.1から始まっています。

ひらい
ひらい

なるほど、さすが東京都。動きが早いですね・・・・。

でも、これだけ騒がれている訳ですから他の地方自治体も徐々に対応するような制度が創設されるかも知れませんね。

A社については、借換えをコロナ借換保証制度を利用して進めてもらい、金融機関による伴走支援や経営行動計画書の作成についてもフォローしていく方針で検討したいと思います。

まとめ(信金担当者と打合せをした結論)

  • 対応策としては①借換え②新規融資③リスケがある。
  • 優先度としてはまずは借換え(借換時に若干の真水が出るような)を検討する。
  • 売上が戻った場合の返済資金も考え、据置期間と返済期間を設定してもらう。
  • コロナ借換制度については金融機関の伴走支援が必要なため、金融機関の係数管理に協力できる体制を整える。
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