相続税申告・納付までの
スケジュールと必要手続
相続税申告及び納付は相続開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に行う必要があります。ここでは、相続税申告・納付までのスケジュールを確認します。
相続開始
- 死亡届出書
保険金請求などのため市区町村提出前にコピーを取っておくことが望ましいと思います。
- 国民年金の受給停止届
- 国民年金資格喪失届出
- 世帯主変更届
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療制度資格喪失届(健康保険証の返却)
- 介護保険資格喪失届(介護保険証の返却)
相続開始から3カ月以内
- 相続人の調査及び確定(相続関係説明図)
戸籍を被相続人が出生したものまで収集して相続人の確定を行います。
戸籍収集は本籍地が何回も変更されているような場合には、すべて集めるため
1カ月以上かかる場合もありますので、注意が必要です。
- 遺言書の有無について確認
- 財産の把握(不動産・預貯金・株式・借入金など)
財産とはプラスの財産以外にも借入金などのマイナスの財産も含みます。
3カ月以内に相続放棄や限定承認手続きを行う必要性から財産の把握についても
3カ月以内に行う必要があります。
- 相続人の放棄又は限定承認※
① 相続放棄は家庭裁判所への申述が必要。(単独請求可)
相続放棄をした場合には、放棄した相続人以外にも第2順位や第3順位の相続人にも影響が生じます。相続放棄をする場合には親類縁者に前もって事情を説明し、理解を得たうえで協力してもらう必要があります。現在の債務のみならず、保証債務について考慮して決定することも重要です。
② 限定承認も家庭裁判所へ申述が必要。(相続人全員で行う必要あり)
※ 限定承認とはプラスの財産の範囲内で債務を引き継ぐこと
- 生命保険金の請求
被相続人の方がどのような保険に入っていたかを確認し、請求を行います。
一般的には①保険金請求書②死亡証明書(死亡診断書のコピー)があれば
請求が可能です。
※保険契約の有無を確認する方法としては、①自宅に保管されている保険証券
②保険会社から定期的に送られてくる郵便物③通帳からの引き落とし記録等を
確認④勤務先での加入の有無を確認など により把握を行います。
相続開始から4カ月以内
・被相続人にかかる所得税の申告・納付
(準確定申告について)
亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得金額を計算し、所轄税務署へ申告・納付を行う必要があります。
相続開始から10カ月以内
・相続税申告書提出(税務署)
・相続税の延納・物納申請(税務署)
・相続税の納付(金融機関にて)
・遺産分割協議書の作成
様式の決まりはありません。相続人全員の実印を押印します。(遺産分割方法)
遺産分割協議は、一次相続だけではなく二次相続も踏まえた分割を行うことが重要です。
・不動産の名義変更手続き(法務局)
移転登記申請書、被相続人の戸籍(出生~死亡まで)・除票、相続人の戸籍・住民票・印鑑登録証明書、固定資産評価証明書、遺産分割協議書、遺言書などが必要。
・預貯金の名義変更手続き(金融機関)
名義変更依頼書、死亡届、通帳、キャッシュカード、被相続人の戸籍(出生から死亡まで)、相続人全員の戸籍、遺言書、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑登録証明書 など
・株式の名義書換手続き (証券会社又は信託銀行など)
証券会社などの所定用紙、被相続人の戸籍(出生から死亡まで)、相続人全員の戸籍謄本、遺言書、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑登録証明書 など
・自動車の名義変更(運輸支局)
移転登録申請書、車検証、相続人の戸籍謄本・住民票、被相続人の除籍謄本、遺産分割協議書の写し、印鑑登録証明書 など
※上記の名義変更については必ずしも10カ月以内行わなければならないといった期限はなく、上記は目安としてご理解ください。